なぜアスリートは弁護士と顧問契約をすべきなのか フィールド外のチームメイトの必要性

なぜアスリートは弁護士と顧問契約をすべきなのか フィールド外のチームメイトの必要性

少し仰々しいタイトルになっていますが、本当に大事なことだと思いますので、私の考えをお伝えできればと思います。

1 ちょっと気になるといったレベルで相談しようと思えること
2 費用的にもコスパがいいこと
3 俯瞰的な立場で、必ず味方でいること

1 ちょっと気になるといったレベルで相談しようと思えること

もっとも大事な点は、これだと思います。
多くの人・アスリートは、自分には弁護士に相談するようなことはないと考えています。
もっとも、初めて弁護士に依頼した人の多くも、まさか自分に弁護士に相談するようなことが起きるなんて、と思っています。普通の人でも、人生で一度や二度は弁護士に相談することに出くわしますすが、アスリートであればなおさらです。

一方で、普通の人にとっては、弁護士に相談すべきことなのか、弁護士に相談した方がいい段階なのか、といったうことがわからないという問題があります。
その判断ができるようになるのが望ましいですが、そうでなくとも、「なんとなく、ひっかかるな」「これって大丈夫なのかな」と気になることはあると思います。お金が絡む場合であれば、一つの視点としては、今回のお金がどこかに消えてしまったら困ると思うかという金額感があるかと思います(人によって、30万円であることもあれば、300万円である等、色々ありうるかと思います)。

こういった場合に、以前知り合った弁護士から「ひとまずの相談は気軽にしてもらって大丈夫ですよ」言われていても、そもそもそこまで親しくなかったり、お金を払わずに専門家に相談するというのは、どうしても、気軽にはしにくいところです。そのため、ちょっと気になることや違和感があることがあっても相談するに至らずに、結果として問題が大きくなってから相談することになってしまう、ということが往々にしてあります。
一方で、少額であろうと顧問料を払っている場合、むしろ頭のどこかで相談しないと損だ、という感覚も働きますし、ちょっとしたことでも相談するということにつながると思います。また、顧問料を受け取っている場合、アスリート側でなく弁護士側からも接点をもつことになるため、その際に相談するということにもなると思います。

2 費用的にもコスパがいいこと

私もそうしていますが、最近では、顧問契約といっても顧問契約自体の金額はかなり低額に設定し、実際に実働した場合に追加で費用をいただくという形にしている弁護士が多いかと思います。裁判をしたいと言われれば、流石にそれなりに費用をいただかざるを得ませんが、すぐに回答できることを聞かれるといったレベルであれば、そこまでは費用をもらわないという弁護士の方が多いかと思います。
一方で、大事になった段階ではじめて弁護士に相談しようと思っても、まず、自分が信頼できると思える弁護士にすぐ出会えるかわかりませんし、そういった段階であれば、何よりもはや回避不可能な不利益を被ってしまっていることもあります、弁護士費用も高くならざるを得ません。

いわば、保険のような位置づけで、顧問契約を結んでおくことをオススメします。

3 俯瞰的な立場で、必ず味方でいること

アスリートのトラブルで多いのは、身近な信頼した人とのやりとりであったりします。もちろん、アスリートが全てのことを自分でやるのは現実的ではなく、信頼できる人に、色々なことを任せることは必要です。
一方で、一つの人と距離が近くなればなるほど、通常、その人の収入源がアスリートのみになるため、そこで出来るだけお金を稼ぎたいと考えてしまうのが人間です。
一方で、弁護士の場合、多くはいくつもの顧問先をかかえたりしているため、アスリートに収入を依存することはありません。それどころか、他の顧客との信頼関係、評判、資格の維持等を考えると、わるいことをする方がデメリットが大きいです。
また、仮にアスリートが社会的に非難されることをしてしまったり、最悪、法律を犯してしまったとしても、裁判等で本人守ることが出来るのは弁護士だけです。世間が、さらには家族が去っていったとしても、弁護士は依頼者のために全力を尽くしますので、その点は、踏まえてもらえると思います。

私の個人的な感覚ですが、私が弁護士になった2010年頃には取引を行うにあたって契約書を作成しない中小企業が多くみられましたが、現在では、一定額以上の取引については、契約書を作成しない中小企業の方が少ないのではないかと思います。また、いうまでもなく、上場企業やIPOを目指す会社で、顧問弁護士ついていない会社というのは皆無です。
一定以上、活躍しているアスリートには顧問弁護士がついているのが当たり前、という世界にしていきます。

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