アスリートのための財務計画:優秀な顧問税理士がいるとどう変わるか
今回は、アスリートが優秀な顧問税理士に依頼すべきことについて、ご説明します。
1 対策が必要であるにもかかわらず、自ら十分な対策をするのは困難であること
例えば、実業団等に所属していないフリーのアスリートの場合、誰でも加入義務のある国民年金のみにしか加入していない場合、将来年金のみでは不十分となることは明らかですから、資産形成のことを考えていかなければいけません。
また、ある程度の収入が稼げるようになったとしても、何も対策をしないままですと大きな額の税金を納めなければならなくなりますし、高収入が長く続くというアスリートは多くはありませんので、入ってきたお金をどのように扱うかというのは大事なポイントです。
一方で、アスリートに限らず、優秀な税理士以外全ての人にとって税金の仕組を正確に理解することは不可能です。
特に、常日頃から競技に励み、競技時間外もパフォーマンス向上に向けた活動をするアスリートが、税金に関係することまで自らフォローしていくのには限界があります(もちろん、大枠は理解すべきですが)。
2 優秀な税理士と顧問契約をすべきであること
既に税理士に確定申告を依頼しているアスリートも多いかと思います。ただ、確定申告は誰がしても同じなのだから、誰かから紹介された税理士にとりあえず依頼すればよい、と考えているアスリートも多いかもしれません。例えば、球団やクラブ等が、宛のない新人選手に税理士を紹介するということはよく見受けられるかもしれません。
そうして紹介された税理士が必ずしもよくないというわけではありませんが、税理士も人ですので、しっかり向き合ってくれるお客さんの仕事により力が入るというのは当然かと思います。
そういった中で、年に一度、確定申告だけ依頼するというだけでは、いい関係性を築くというのは難しいです。税理士の側としても、一年後には、別の税理士に確定申告を依頼しにいってしまうのではないかという懸念を持つのは当然です。
そこで、継続的な信頼関係を築くという意味でも、税理士と顧問契約を締結すべきです。
そして、優秀な税理士であれば、お金の出入りもチェックしてくれますし、おかしなお金の動きがあればケアしてくれますので、おかしな投資話に騙され続けるということもないかと思います。
大手を振っては言いにくいお金の話ですが、とても大事な問題ですので、それを適切にサポートしてくれる税理士と顧問契約をすることをおすすめします。
プロ野球選手、元サッカー日本代表選手等の個人・法人の顧問、トラブル相談等を多数取り扱う
著作:「アスリートを活用したマーケティングの広がりとRule40の緩和」(東京2020オリンピック・パラリンピックを巡る法的課題(日本スポーツ法学会編)
・一般社団法人スポーツキャリアアドバイザーズ 代表理事
・トップランナー法律事務所 代表弁護士(東京弁護士会所属)
・日本サッカー登録仲介人
・日本プロ野球選手会公認選手代理人
・日本スポーツ法学会会員