【本紹介】敗北のスポーツ学 井筒陸也
元Jリーガー井筒陸也さんの「敗北のスポーツ学」セカンドキャリアに苦悩するスリートの構造的問題と解決策、を紹介します。井筒さんは、関西学院大学卒業後、J2の徳島ヴォルティスに入団して3年間プレーし、3年目の時点では中心選手として活躍していながらプロとしてのサッカー選手は引退。そこから、当時関東2部リーグ(J1→J2→J3→JFL→関東1部リーグの下)に所属していたクリアソン新宿に移籍し、社員として働きながらプレー。クリアソン新宿がJFLに上がったところで、アマチュア選手としても引退。
「ZISO」というYouTubeチャンネル)を開設して、山田大記選手(現ジュビロ磐田所属)、岩尾憲選手(現浦和レッズ所属)、小林祐三さん(横浜Fマリノス等で活躍、現サガン鳥栖強化部)等、色んなJリーガーとの対談を上げる等、様々な発信をされています。
元Jリーガーがキャリアの問題を中心に書かれた本は、初めてなのではないかと思います。
徳島ヴォルティスを辞める時も、クリアソン新宿を辞める時も、まだ選手としてやっていけるのが明らかな状況・年齢で、辞めているのも特色的なのではないかと思います。本の中で書いていますが、そもそも、本人はJリーガーを目指さないと決めてサッカーを続けていたこと、大学時代に日本一となったチームで、本気でプロになることを目指したチームメイトに影響を受けてJリーガーになったとのことです。
私も、殊更にアスリートのセカンドキャリア問題という取り上げ方をするのは好きではないのですが、「セカンドキャリア」というネーミングがよすぎて、ここまで広まってしまっているのだと思います。
井筒さんはこの点について、「就活の時のように、同世代の人間たちとつくる『せーの』の勢いがないため、少し大変さを感じてしまう」だけで、アスリートのセカンドキャリア問題というものは、「学生の就職活動の悩みと同じあきらめをするものであり、取り立てて言うほど『問題』ではない」と指摘されています。
アスリートのキャリア問題に興味がある方は、読まれることをオススメします。
Youtubeでこちらの本について、お話しています。
【本紹介】「敗北のスポーツ学」著:井筒陸也さん(前半)~セカンドキャリア問題というのは取り立てて言うほどの問題か~
【本紹介】「敗北のスポーツ学」著:井筒陸也さん(後半)~セカンドキャリア問題というのは取り立てて言うほどの問題か~
プロ野球選手、元サッカー日本代表選手等の個人・法人の顧問、トラブル相談等を多数取り扱う
著作:「アスリートを活用したマーケティングの広がりとRule40の緩和」(東京2020オリンピック・パラリンピックを巡る法的課題(日本スポーツ法学会編)
・一般社団法人スポーツキャリアアドバイザーズ 代表理事
・トップランナー法律事務所 代表弁護士(東京弁護士会所属)
・日本サッカー登録仲介人
・日本プロ野球選手会公認選手代理人
・日本スポーツ法学会会員