代表選考結果の争い方

代表選考結果の争い方

オリンピック等の国際大会の代表選考の結果に納得がいかない場合、どのように救済を求めたらよいのでしょうか。

紛争を解決するために裁判所に訴えるということが思い浮かびますが、スポーツ紛争は法律的な解決になじまない面も多く、また、裁判は解決に時間がかかってしまいます。

このような代表選考等のスポーツ紛争を解決することを目的として設けられたのが日本スポーツ仲裁機構(Japan Sports Arbitration Agency、通称「JSAA」)です。

JSAAでは紛争解決の手続きとして仲裁(仲裁判断が下されるとそれに拘束される)と調停(解決案が示されるが、それを受け容れる必要はない)があり、仲裁の手続きでは、公正中立な立場の仲裁人で構成される仲裁パネルによって代表選考の当否について判断をすることになります。

代表選考の基準がタイムや順位によって明確に決まっている場合は争いになることは少ないと思いますが、様々な要素を総合的に考慮して決定することもあり、選考する側にも一定の裁量があるとされています。

そのため、その裁量を逸脱しているかどうかが代表選考に関する決定が取り消されるかどうかの判断のポイントになることが多いといえます。もっとも、裁量の逸脱があったことを裏付ける事実は、申立てをした選手の側が主張しなければならず、裁量の逸脱を根拠づける理由付け、事実関係の整理、それを裏付ける証拠をどのように取捨選択するか等、専門的な知識が必要となります。

過去の仲裁判断は、JSAAのウェブページ上で公開されています。

例えば、リオデジャネイロオリンピックの女子ロードレースの選考対象から除外するという処分を受けた選手が、その処分を争い、取り消された事案が掲載されています。
JSAAのウェブページ
http://www.jsaa.jp/award/AP-2016-001.html

こちらをみていただければおわかりかと思いますが、専門家でないと代表選考を争うのは困難ですので、何よりスポーツ紛争に精通した専門家に相談することをお勧めします。

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