アスリートを活用したマーケティングの広がりとRule40の緩和

アスリートを活用したマーケティングの広がりとRule40の緩和

日本スポーツ法学会発行の「東京2020オリンピック・パラリンピックを巡る法的課題」に寄稿した「アスリートを活用したマーケティングの広がりとRule40の緩和」について、ある程度、わかりやすくお伝えします。

Rule40とは、ざっくりいえば、オリンピックの非公式スポンサーが、オリンピックにフリーライドして、オリンピック出場選手の肖像・映像等を使って宣伝広告をすることを規制するルールです。
例えば、金メダルをとった選手がつけていた非公式スポンサーである用品メーカーが、金メダルをとった直後に「これを使って金メダルをとれました」というような宣伝(SNS等あらゆるものを含みます)をするのを規制するルールです。

その目的は、多額のスポンサー料を支払う公式スポンサーの利益の保護(なお、ひいては、その利益をあまりお金の回らない競技へ分配すること等により、スポーツ界全体の利益を図ること)にあります。

これは上記のように、オリンピックにフリーライドして宣伝することを防ぐという点にはもちろん意味がありますが、このルールが制定されたのは1991年(オリンピックの商業化がはじまった1988年ロス五輪の後)で、現代にはマッチしなくなっています。

特に、SNSがこれだけ発展して、子供から老人まで極めて容易に世界中に発信可能になっている時代で、直接的にアスリートや企業にお金を渡しているわけでもオリンピック(IOC)側がこのような規制をすることを正当化する理由はなかなかつかなくなってきています。そのため、アスリート側からの反発もあり、事前承認を得ればよい等、順次、規制が緩和されてきていますが、どのラインまでOKとするかというのはどうしてもグレーゾーンがでてきてしまいます。
ちなみに、Rule40違反の罰則は、理屈上は、結果(メダル)のはく奪ということまで想定されていますが、実際にそのような罰則が科されるようなことがあった場合、アスリート側からの反発はすさまじいものとなります。その意味では、いずれ、意図的か否かにかかわらず、違反をする選手が続出してくることも想定されます。
実際、メジャースポーツ以外のスポーツにおいては、オリンピックが自身をアピールする極めて少ない絶好の機会ですので、この機会をどう活かすかというのは当然だと思います。

アスリート側の権利保護と、大会運営側のバランスが問われることになります。

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