PDP、アスリートメンター制度の活用に向けて

PDP、アスリートメンター制度の活用に向けて

PDP(Player Dvelopment Program)とは、ニュージーランドのラグビー選手会等が取り入れている仕組で、ざっくりイメージでいうとアスリートにメンターをつける制度です。

日本では、経済的な理由等もあり、正式に導入されているところはありませんが、ラグビーの選手会がトライアルとして取り入れています。
参考:選手の心の悩み「チーム関係者には特に話しづらい」”第三者”が支えるPDPとは?ラグビー選手会が試験導入

メンター、より広い意味でいえばコーチングの仕組では、欧米では広く取り入れられていますが、日本では、まだ十分にその活用が広まっていません。一方で、スポーツ界に限らず大企業の経営者等でも取り入れている方は、実は意外といるという印象です。

誰しも自分のことはどうしても客観的にみることができませんし、自分1人では解決できないことはいくらでもあります。そういったことについて、まずは誰かに話をするというだけでも、多くの気づきがあります。
特にアスリートの場合、精神的な不調は競技のパフォーマンスに直結しますし、将来に全く不安がないという選手の方が希でしょう。一方で、例えば、チーム内の問題等について、利害関係なく話せる適任の第三者というのは中々見当たらないことも多いかと思います。

ニュージーランドのラグビー選手会が取り入れている視点は、選手の人間としての幸せ(well being)をサポートすることを目指すプログラムで、better people make better player、すなわち、よりよい人間になることで、よりよい選手になるという考えが背景にあります。
具体的な支援の内容としては、①選手のキャリア支援、②選手への教育、③金融・財産管理、④契約理解を掲げています。
参考:アスリート支援におけるPDPの意義とPDMの役割、および日本での導入可能性について
実際に、メンターの立場にある人は、心理学の専門家、学校教員、キャリアアドバイザー、弁護士などが多いとのことです。

一方で、日本における肌感覚としては、やはりアスリートの気持ちを真に理解し、また、アスリートが心を開きやすいのはやはりもともと同じ立場にいた元アスリートなので、元アスリートがその役を担うのが適任なのではないかと思います。実際、ラグビー選手会が行ったトライアルでは、元水泳選手の萩原智子さんや、元バドミントン選手の益子直美さんも担当されたとのことです。
また、これは、普段自分の競技経験を直接的に生かす場が少ない元アスリートにとっては、自分の経験を還元できる絶好の機会になるのではないかと考えています。

私たちの社団でも、このアスリートメンター制度のトライアルを初めていますので、興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

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