羽生九段と藤井竜王の王将戦の熱戦にみる好敵手の存在
2023年2月13日現在、将棋の藤井竜王と羽入九段の王将戦7番勝負が2勝2敗、しかも内容も接戦が多く盛り上がっています。
私も将棋のにわかファンなので、正確なニュアンスは難しいですが、王将戦開始前は、羽生九段が一勝もできないで終わるのではないかと予想しても、おかしな予想ではなかったかと思います。
いうまでもなく、ここまで接戦になっている一番の原因は、羽生九段の頑張りなわけですが、羽生九段が充実した内容の戦いをしている原因に、藤井竜王という好敵手であるという要因があることは明らかでしょう。
私と同世代に限らず、今の20代から50代の人は、藤井竜王がでてくるまでの30年ぐらいの間は、将棋の棋士といえば羽生善治しか知らないという人がほとんどだったかと思います。
当時の全タイトル7冠を達成する等、史上最高の結果を残してきていた羽生九段。同世代の棋士は、羽生世代とも呼ばれて、幾度となく名勝負をしてきてはいても、やはり羽生九段の実績は抜きんでています。
もちろん、羽生九段自身が、手を抜いているとかそういった意識はないかと思いますが、長い間、無意識のレベルで闘争心がわいてくるといったことが乏しかったのではないかと思います。
なお、この点について、興味深い解説をしている動画を紹介します。
羽生善治九段(52)が復活を遂げた明快すぎる理由が判明!なぜ最強の藤井聡太竜王(王将、五冠)と競り合えるのか解説します。
こういった好敵手の存在により、レベルがひきあげられるというのは他の競技等でもよくみられる現象です。
野球でいう松坂世代、サッカーでいう小野伸二選手たちの黄金世代がそうですし、
100メートル走の日本記録は約20年間10秒00のままでしたが、10秒の壁が一度やぶられた2017年以降は連続して10秒をきる記録が発生しました。
メッシとクリスティアーノ・ロナウドは同世代に2人同時にいたからこそより盛り上がったのだと思いますし、テニスのフェデラー、ナダル、ジョコビッチの関係にもそういった面があるのだと思います。
これからも色んなライバルの存在で、スポーツが盛り上がっていくのを期待したいです。
プロ野球選手、元サッカー日本代表選手等の個人・法人の顧問、トラブル相談等を多数取り扱う
著作:「アスリートを活用したマーケティングの広がりとRule40の緩和」(東京2020オリンピック・パラリンピックを巡る法的課題(日本スポーツ法学会編)
・一般社団法人スポーツキャリアアドバイザーズ 代表理事
・トップランナー法律事務所 代表弁護士(東京弁護士会所属)
・日本サッカー登録仲介人
・日本プロ野球選手会公認選手代理人
・日本スポーツ法学会会員